言語聴覚士の田中です。
今回は、失語症のリハビリについて、「医療保険(病院)のリハビリ」、「介護保険のリハビリ」、そして「保険外のリハビリ」について、どんな違いがあるのか、それぞれの特徴についてご説明していきたいと思います。
医療保険(病院)のリハビリ
脳卒中を発症して、早いと入院初日よりリハビリが開始します。突然、ご自身の言いたいことが伝わらず、本当に苦しい思いをされる方もいらっしゃいます。そんな時、病院の言語聴覚士は、どのようにしたら思いが伝わりやすいか、コミュニケーション手段を一緒に探し、病棟看護師さんや、主治医の先生、その他のリハビリスタッフ、そしてご家族の方にも伝わりやすい手段をお伝えします。病気の検査や治療が優先されるので、限られた時間の中、言語の評価・訓練が行われます。発症から日数が経っていない時は、病態が落ち着かず、脳が疲れやすく、多くの時間が取れない場合もあります。
急性期の状態が脱したあと、もう少しリハビリの必要がある場合は、回復期病院・病棟といって、リハビリを行うことを目的とした病院・病棟で、入院を継続しながらリハビリを行います。この頃は病態も安定しているので、集中してリハビリを行います。言語のリハビリ以外にも理学療法、作業療法など必要に応じて長いと1日3時間365日リハビリを行い、在宅への退院、仕事への復帰を目指します。個々人の違いもありますが、この時期が脳機能的に回復しやすい時期と言われております。しかしながら、脳卒中のような脳血管疾患は回復期病棟に入院してから最大でも180日と期間が定められております。
介護保険のリハビリ
介護保険制度のもと実施されており、ディサービスやディケア、訪問リハビリがあります。介護保険の介護度によって、利用される方が受けられるサービスをケアマネージャーさんと一緒に考えますが、どんなサービスを優先するかによって、言語のリハビリ時間が十分確保できないことがあります。また、言語聴覚士が在籍する事業所が少ないことも問題だと言われております。個別訓練や集団でレクレーションを楽しみながら、生活の中での必要な会話訓練や代償手段の活用をします。一つ気を付けて頂きたいのが、介護保険のリハビリと病院のリハビリは併用できないので注意が必要です。
保険外のリハビリ
いわゆる自費リハと言われており、当センターをイメージしていただけるといいと思います。発症からの期間は関係なく、現在の言語能力を評価し、その結果をもとに利用者の方やご家族の方と一緒にどれくらいの時間が必要か、どんな訓練が適しているかを相談しながらオーダーメイドでプログラムを作り上げていきます。
また、介護保険でのリハビリをご利用であっても併用可能です。利用回数は1回だけでも可能ですし、複数回継続も可能です。当センターご利用の方でも、週2回、週1回、2週に1回とご希望に合わせて対応させていただいております。
もし少し詳しく聞いてみたいな、相談してみたいなと思われたら、まずは一度お電話もしくはお問い合わせメールにて、ご連絡頂けると嬉しいです。